2002 Fiscal Year Annual Research Report
小脳顆粒細胞における低カリウムで誘導されるアポトーシスの細胞内分子機構
Project/Area Number |
01J01008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山岸 覚 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 小脳顆粒細胞 / ASK1 / p38 MAPK / c-Jun / BDNF / IGF-1 / アポトーシス / 低カリウム |
Research Abstract |
私は、昨年度までに小脳顆粒細を用いて、低カリウムで誘導されるアポトーシスにおいてp38 MAPKがc-Junの活性化およびアポトーシス誘導に深く関与していることを報告した(J. Biol. Chem.2001,276,5129-5133)。今年度は新たに以下のことを明らかにした。 (1)ASK1によるp38 MAPK-c-Jun経路の調節 ASK1はストレス応答に重要なJNKやp38 MAPKを活性化させることがよく知られているキナーゼである。そこで私は、培養小脳顆粒細胞においてASK1がp38 MAPKの活性化に関与しているかを検討した。その結果、LK培地置換後3時間において、ASK1が活性化されることを見出した。優性抑制変異型ASK1(ASK-KM)を発現させると、p38 MAPKおよびc-Junのリン酸化が抑制され、細胞死が抑制されることを見出した。また、恒常的活性化型ASK1を発現させると、p38 MAPKおよびc-Junのリン酸化の増強が観察された(J. Biochemistry, in press)。 (2)PI3-KによるASK1経路の活性化抑制 生存維持に関わっていることが知られているPI3-KとASK1-p38 MAPK-c-Jun経路の関係について、PI3-Kの阻害剤であるLY294002を用いて解析を行った。その結果、LY294002を投与することにより、ASK1の活性および、p38 MAPKとc-Junのリン酸化が顕著に亢進することがわかった。この結果は、PI3-KがASK1-p38 MAPK-c-Jun経路を負に制御していることを示している。また、BDNFとIGF-1はPI3-K経路の活性化を介し、ASK1にはじまるp38 MAPK-c-Jun経路を抑制することにより生存維持効果を発揮していることも見出した(論文投稿中)。
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Research Products
(1 results)