2002 Fiscal Year Annual Research Report
機能性新炭素材料の作製とその電子・光物性及びデバイス応用に関する研究
Project/Area Number |
01J01079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武 弘義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 炭素材料 / 多孔性 / 周期構造 / リチウムイオン二次電池 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、前年度から引き続き人工オパールを利用した周期的多孔性炭素の作製方法を確立し、作製した試料を用いて金属イオン等のインターカレーションや、リチウムイオン二次電池の負極材料として応用を検討することであった。本年度の研究で得られた知見と業績をまとめると、次のようになる。 まず我々は球径が約1μmから約11nmまでの微小シリカ球を用いて、球が規則正しく配列した人工オパールを作製した。この人工オパールを用いて前年度確立した手法により周期的多孔性炭素を作製した。従来は球径が小さくなるほど球間空隙への開始物質の浸透が困難であったが、浸透物質の粘度などを調整することにより浸透が可能であることを見出し、より小さなナノサイズの周期を持つ周期的多孔性炭素材料の作製に成功した。このことにより前年度までに見出した低温における磁気抵抗などの電子物性に、更に特徴的な特性が現れることが期待される。また作製した試料の中で、可視光の波長程度の周期性を有する物は特定の波長の可視光のみを選択的に反射する。それにより本来黒色である炭素材料が様々な色を呈する。また周期的多孔性炭素は焼成温度を上げることによってその孔径が収縮し、それに伴い反射スペクトルのピーク波長が変化し呈する色も変化することを見出した。 更に本年度に作製した周期的多孔性炭素もリチウムイオンの可逆的なドープ、脱ドープが可能であり、リチウムイオン二次電池だけでなく電気二重層キャパシタなどの電極材料としての応用も検討していく予定である。 また得られた知見を中国の上海で行われた合成金属国際会議にて発表した。
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Research Products
(1 results)