2003 Fiscal Year Annual Research Report
高時間分解脳機能光計測装置の開発と脳の柔軟性解明の試み
Project/Area Number |
01J01120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高槻 玲 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 近赤外分光法 / 時間分解計測法 / イメージング / 非侵襲脳機能計測 |
Research Abstract |
従来型の定常光源を用いた光計測装置では、約30mmの送受光間距離を取らなければ、頭皮上から見て深部にある大脳皮質の活動を測定するのが困難であった。また、この送受光間距離が空間分解能を決めており、その低い空間分解能は問題点の一つであった。定常光型より優れた空間情報の取得を目的として、時間分解計測法とイメージング手法とを組み合わせた、新たな計測法の開発とその評価を行った。生体の散乱特性に近い白色樹脂から成る疑似生体試料を測定対象とし、定量的に検討した。 定常光源型の装置では送受光間距離が短い場合には深部まで届く光の割合が低かったのに対し、時間分解計測により適切な検出ゲート時間を選択すると、定常光型よりも数倍(送受光間距離が10mmの場合は5倍以上)の深部抽出力が実現できることがわかった。 さらに6点の照射点を設け、その内部を光学系を通してカメラを用いて直接イメージングを行った。ある程度遅めの検出ゲート時間を選択すると、計測表面の光量分布が均一になる。この効果により、技術的にカメラで撮像することが可能になるとともに、吸光度変化を計算した場合にも吸収体の位置情報を正しく得ることに成功した。さらに、検出ゲート時間を変えることにより深さ方向の情報が得られることを示し、このシステムの三次元化の可能性も示唆された。疑似生体試料中の深さ10mmに配置した直径10mmの吸収体を、位置精度誤差3mm以内、像のボケ13mm程度で計測することに成功し、空間分解能を従来約30mmであったものから大幅に向上させた。定常光型装置では活動領野の特定をあやまる危険性をはらんでいたが、時間分解イメージング法ではその正確な特定が期待できる。
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Research Products
(1 results)