2002 Fiscal Year Annual Research Report
外部因子により機能発現制御能を有するPRNAの創成と細胞機能制御に関する研究
Project/Area Number |
01J01140
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 博文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アンチセンス / RNA / アミノヌクレオシド / 配向制御 / 認識制御 / 生体機能制御 / DNA / 外部因子 |
Research Abstract |
本研究では、核酸認識過程における塩基部の配向に注目し、外部因子によりヌクレオシドの塩基部の配向を制御することで、核酸認識分子に認識能制御の機能を付加した新規分子の開発を行っている。これまでにピリミジンヌクレオシドを有するペプチドリボ核酸(PRNA)という新しいカテゴリーのアンチセンス分子においてターゲットDNAの認識のon-offが達成可能であることを明らかとしている。 2002年度の研究では、塩基部に環外アミノ基を有するPRNAオリゴマーの合成法を確立し、四種類の塩基を有する様々な混合配列PRNAオリゴマーを固相合成法により合成できることを明らかとした。さらに、ここで得られたプリン-ピリミジン混合配列PRNAは天然核酸と配列特異的に大きな淡色効果を示す安定な錯体を形成するとともに、ホウ酸類によりPRNAの塩基部の配向を制御し、そのPRNA-DNA錯体の形成-解離を制御可能であることを明らかとした。さらに自己相補的なPRNA錯体は先程のDNAの系と同様にホウ酸類により錯体形成能の制御が可能であるだけでなく、ホウ酸類が系中のpHに非常に敏感であることを利用して、ホウ酸存在下pHを外部因子とすることで錯体形成解離を可逆的に制御可能であることを示した。さらに、ミスマッチ塩基に対する配列特異的認識能について検討した結果、末端ミスマッチ並びに内部ミスマッチにおいてPRNA-DNA錯体の方がDNA-DNAよりも大きな融解温度の現象が観測されたことからPRNAの方がミスマッチ塩基に対して敏感であることが示された。これらの結果を学術雑誌に投稿し、学会等で発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hirofumi Sato, Yusuke Hashimoto, Mayuko Kikkawa, Takehiko Wada, Yoshihisa Inoue: "DNA Recognition Control of γ-PRNA and Mismatched Base Effects upon Complex Stability"Nucleic Acids Res. Suppli.. 2. 159 (2002)