2002 Fiscal Year Annual Research Report
シクロデキストリン誘導体の自己組織化超分子体の合成研究
Project/Area Number |
01J01184
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤本 辰彦 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 完全メチル化シクロデキストリン / 自己組織化 / ポルフィリン / 光集光系モデル |
Research Abstract |
これまで我々の研究グループでは、完全メチル化α-シクロデキストリンとアゾベンゼンの相補性の良さを利用した自己組織化超分子体の合成を検討してきた。さらに我々は、光集光系モデルへの応用を志向した。このモデルは、可視光領域に強い吸収帯を持ち、様々な金属を取り込む事の出来るポルフィリンを組織化する事により実現出来ると考えた。ポルフィリンを自己組織化させる為には、完全メチル化α-シクロデキストリンを有するポルフィリンとアゾベンゼンを有するポルフィリンが必要である。まず前者は、ヒドロキシベンズアルデヒド、ピロールによるアドラー法によりポルフィリン骨格を合成し、BBr_3によるメトキシ開裂の後、完全メチル化α-シクロデキストリンモノトシル体との反応により合成した。一方、アゾベンゼンを有するポルフィリンは、アニスアルデヒド、アセトアミドベンズアルデヒド、ピロールを用いたアドラー法の後、アミド基の酸加水分解、BBr_3によるメトキシ開裂、ジアゾカップリングにより合成した。なお、このポルフィリンをエネルギードナーとする為に中心に亜鉛金属を導入した。これらを水-メタノール混合溶媒中で混ぜ合わせると包接錯体を形成した事がNMR, UV-Vis, CDスペクトルより明らかとなった。さらに蛍光スペクトル、励起スペクトルからアゾベンゼンを有するポルフィリンからシクロデキストリンを有するポルフィリンへのエネルギー移動が示唆される結果が得られた。以上により、シクロデキストリンの相互作用を利用してポルフィリンを自己組織化させ、エネルギー移動過程を示す事に成功した。さらに、このシクロデキストリンモノトシル体の完全メチル化法を確立する事にも成功した。
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Research Products
(1 results)