2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J01193
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 松夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超弦理論 / Dブレーン / AdS-CFT対応 / 超重力理論 / ゲージ理論 / 非可換場の理論 |
Research Abstract |
重力理諭と,標準模型を記述する枠組みであるゲージ理諭とを統一的に記述する弦理論は未だ摂動論としてしか理解されていません。このことが原因で現在の弦理論は現実の観測値に対する予言能力を欠いています。既存の弦理論の非摂動的拡張が必須です。非摂動的弦理論の原理を探るため、現在知られている重力理論とゲージ理諭の双対性の理解を深め、拡張していくことが私の研究の目的です。 この目的のために得た結果を述べます。Dブレーン上の開弦の有効作用であるWess-Zumino項とBorn-Infeld作用が、閉弦の有効作用であるIIB型超重力理諭のハミルトンヤコビ方程式の解であることを示しました。ゲージ場はブレーン上のNS-NS B-fieldのゲージ変換によって導入されます。このことは、ゲージ理論の有効作用と重力理論の有効作用が一致するという意味でゲージ理論と重力理論の間に双対性があることを意味します。この解はYang-Mills理論にdualなAdS背景からの揺らぎのon-shell作用というだけでなく,非可換Yang-Mills理論にdualな背景からの揺らぎのon-shell作用でもあることを示しました。このことは重力理論とゲージ理論の対応がAdS-CFTという対称性の高い理論どうしだけでなく、より広い範囲で成立することを意味します。また、この対応はIIA型超重力理論にも拡張できて、より低い次元や高い次元での双対性にも拡張できることがわかりました。現在双対性はどのような背景のクラスで成立するのかを研究中です。この研究はゲージ理論と重力理論の双対性を非摂動的に理解する側面を持っているので、ゲージ理論と重力理論の統一理論である非摂動的弦理論の原理の理解に直接つながるものであると考えられます。
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Research Products
(1 results)