2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J01198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伏屋 雄紀 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超伝導秩序変数 / 準1次元系 / くりこみ群の方法 / odd-frequncy gap / p波一重項超伝導 / ギャップレス超伝導 / 反強磁性量子臨界点 / 反強磁性と超伝導の共存 |
Research Abstract |
1.くりこみ群の方法に基づく準1次元超伝導秩序変数の多様性 1次元系では,摂動展開の全ての次数において対数発散が表れ,低次までの摂動論や,偏った高次項を取り込む方法(RPA・FLEXなど)では1次元の特徴を十分に取り込むことができない.準1次元系の超伝導を議論する際にはこれらの困難を克服すべく新しい理論が必要となってくる.われわれはくりこみ群の方法によりすべての対数発散を有効的に取り込む理論について研究した.その結果,前方・後方散乱の大きさに応じて,3種類の秩序変数(p波三重項対・d波一重項対・f波三重項対)が実現することがわかった.これらの計算結果によれば,よく知られるハバード模型においては,p波三重項対が最も安定となる場合があり,これまでになされた研究とは異なる新たな視点を見出した. 2.反強磁性量子臨界点近傍におけるギャップレスp波一重項超伝導 これまでの異方的超伝導の研究では一般に,ギャップ関数の振動数対称性を偶関数に仮定し,波数のみの対称性が議論されてきた.しかし原理的には振動数に対して奇関数のギャップ関数(odd-frequency gap)も可能で,p波一重項対が存在し得る.これまでにもodd-frequency gapに関する理論的研究は行われていたものの,実際の実験と結びつくような研究は行われてこなかった.本研究では,CeCu_2Si_2やCeRhIn_5の反強磁性・超伝導共存相(AF+SC相)において,このp波一重項超伝導が実現している可能性をこれらの物質の特徴に基づく模型を用いて理論的に指摘した.p波一重項超伝導はその対称性から必然的にギャップレス超伝導となり,このことはAF+SC相におけるNQRの実験事実と一致する.また実験的にはまだ確認されていない領域についての理論的予測も行った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Fuseya, Y.Onishi, H.Kohno, K.Miyake: "Unconventional superconductivity with radial-node gap in quasi-one-dimensional metals"Journal of Physics. 14. L655-L661 (2002)
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[Publications] Y.Fuseya, H.Kohno, K.Miyake: "New varieties of order parameter symmetry in quasi-one-dimensional system"Physica B.