2003 Fiscal Year Annual Research Report
TLSに関わるDNAポリメラーゼの人類遺伝学的解析
Project/Area Number |
01J01206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
砂川 真弓 (湯浅 真弓) 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 色素性乾皮症 / ポリメラーゼη / XPV / 損傷乗り越え複製(TLS) |
Research Abstract |
我々は、色素性乾皮症バリアント群(XP-V)の原因遺伝子産物XPVが、UVにより生じる損傷であるシクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD)に対し、正しい塩基を導入して複製を行うDNAポリメラーゼη(polη)であることを明らかにしている。しかし、polηの細胞内での動態や作用機構はまだほとんど明らかになっていない。私は、これまでの解析から、内在性polηには推定分子量に近い約80kDaのメジャーフォームと、90kDa位のマイナーフォームが存在することを明らかにした。polη cDNAをXP-V群患者由来細胞に導入したXP2SA/XPV(713)細胞において、この2つのpolηのフォームが検出された事から、この90kDa位のフォームは翻訳後修飾されたpolηのフォームであると示唆された。私はXP2SA/XPV(713)細胞にUV照射し、Triton可溶性と不溶性(核マトリックス)に分画して局在の変化をウエスタンブロットにより検出したところ、UV照射後に80kDa、90kDaのフォームはともに可溶性分が減少して不溶性分が増加した。これはUV照射後に損傷乗り越え複製を行う部位にpolηが集積した結果であると考えられる。一方、C末を欠失したXPV(511)は、これまでの解析により試験管内損傷乗り越え活性は保持していることが確認されている。XP2SA/XPV(511)で局在の変化を調べたところ、紫外線による変化は認められなかった。このことからpolηの局在の変化にはC末端が必要である事が示唆された。私はこのpolηの修飾の種類と修飾をうけたアミノ酸部位を明らかにするために、N末にFLAG、C末にHisタグをつけたpolη過剰発現細胞HeLa/FLAG polηHis細胞を確立し、この細胞よりNiNTAカラムと抗FLAG抗体カラムを用いてpolηを精製し、質量分析器により同定しようと解析を行っている。
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