2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J01364
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
槇尾 匡 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 核酸 / 膜融合 / タンパク質間相互作用 / 分子シャペロン |
Research Abstract |
出芽酵母接合時の核膜融合の過程には、小胞体のHsp70であるBipとそのパートナータンパク質であるDnaJホモログJemlpが関与している。一方でJemlpはBiPのコシャペロンとして小胞体内の品質管理にも関わっていることが知られている。近年、出芽酵母近縁種のゲノムプロジェクトが進み、Candida albicansに出芽酵母JEMlのホモログ(CaJEM1)が存在することが明らかとなった。両者の配列や細胞内での機能を比較することによりJemlPの働きの分子メカニズムに関する知見が得られると期待された。そこでC. albicans SC5314株よりCaJEM1をクローニングしS. cerevisiae中で発現させたところ、これは小胞体内に局在し、Δjem1 Δscj1二重破壊株の温度感受性の増殖を相補した。このことはCaJemlPはS. cerevisiaeの小胞体中でJemlp様の機能を持つことを示している。しかしCaJEM1は過剰発現させた時にのみjeml変異株の接合欠損を相補したことから、CaJEMlは核膜融合におけるJemlpのターゲットとの相互作用が弱くなっていること、核膜融合と品質管理におけるJemlpの機能は異なることが分かった。またこれまでの研究から、JemlpはNep98pという核膜の内在性膜タンパク質と相互作用することが知られている。酵母two-hybrid法によりCaJemlpとNep98pとの相互作用を調べたところ、両者の相互作用は非常に弱いことが分かった。これらの結果から、核膜融合におけるJemlpのターゲットはNep98pであり、JemlpがBiPをNep98p近傍に連れてくることが核膜融合に必要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)