2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J01501
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
戚 建華 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 神経突起の伸長誘導物質 / PC_<12>細胞 / ステロイド配糖体 / アオヒトデ |
Research Abstract |
1.沖縄産アオヒトデ由来の神経突起伸長誘導物質 沖縄産アオヒトデ(Linckia laevigata)から5種の新規ステロイド配糖体linckoside A〜Eおよび1種の既知の類縁配糖体を単離した。スペクトルデータと分解反応を用いてlinckoside AとBの絶体立体構造を決定し、linckoside C, DおよびEについてはスペクトルデータを用いて相対配置を決定した。Linckoside類と既知類縁物質はそれぞれステロイドアグリコンに2つの単糖を持つ。また、これらステロイド配糖体とNGFには顕著な相乗効果が見られ、微量のNGF(2ng/ml)を添加した場合には、投与3日目においてPC12細胞の85〜90%に突起伸長を誘導された。この活性はNGFを無添加時の3〜10倍であった。なお2ng/mlのNGFはPC12細胞にほとんど突起伸長を誘導しない。これら神経突起伸長誘導性のステロイド配糖体の構造活性相関から次のことがわかった。1)ステロイドアグリコン4位の二重結合を持たない既知類縁体は最も相乗効果が高かった(約10倍の活性上昇)。2)2つのxyloseを有するlinckoside B, C, D(56〜73%の突起伸長)の方が、arabinoseとxyloseを1つづつ有するlinckoside A, Eと既知物質類縁体(8〜33%の突起伸長)よりも突起伸長の活性が高かった。以上の結果からlinkosideの1つの糖とステロイドアグリコン4位の二重結合が活性に重要であることがわかった。 2.活性発現機構の解析 また成果は得られていないが、現在(1)上記化合物をPC12細胞に投与した場合にPC12細胞で発現する細胞内シグナル伝達物質の解析(2)正常な神経細胞の初代培養系を用いた突起伸長誘導活性の測定などを進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Jianlma Qi, Makoto Ojika, Yoji Sakagami: "Linckoside A and B, two new neurocogenic seeroid glyui sides from the Okinawan serked Linka Laeu-gata"Bioorganic & Medicinal Chemistry. 10. 1961-1966 (2002)