2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J01541
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 麻里 (黒岩 麻里) 北海道大学, 先端科学技術共同研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 遺伝子量補正機構 / Z染色体 / ニワトリ / 不活性化 / X染色体 |
Research Abstract |
前年度の研究成果より、Z染色体上に存在するGGTB2、CHD-Z遺伝子がニワトリ雄の両Z染色体で発現していることを確認し、鳥類のZ染色体には、哺乳類のX染色体にみられるような不活性化機構は存在しないことが示唆された。このことから、鳥類には哺乳類とは異なる独自の補正機構が存在すると考えられた。よって、不活性化が生じていないことが確認されたGGTB2、CHD-Z遺伝子が、なんらかの方法で補正を受けているかを調べることを目的とし、以下の研究を行った。 ニワトリ15日令胚の筋組織より繊維芽細胞を培養し、単一細胞由来のコロニーからRNAを抽出した後、逆転写を行いcDNAを得た。15日令雄胚11個体、雌胚14個体から得られたcDNAをテンプレートとし、ABI PRISM 7700を用いてreal-time quantitative PCRを行い、雌雄間での発現量を比較した。コントロールはGAPDH遺伝子を使用した。real-time quantitative PCRを行う際に用いたプライマーは、Primer Expressソフトを用いて各遺伝子につき5組のプライマーセットを設計し、副産物が生じず最適と思われるプライマーセットを選定した。蛍光標識はCyber Greenを用いた。各性の発現量を遺伝子ごとに測定し、雄と雌の発現量が等量であると仮定した場合、雄の発現量が雌の2倍であると仮定した場合で検定を行った結果、GGTB2遺伝子は補正を受けていないが、CHD-Z遺伝子は補正を受けている可能性が示唆された。以上の結果より、鳥類のZ染色体には哺乳類とは異なる独自の補正機構が存在する、またZ染色体上の遺伝子全てが補正を受けているわけではないことが予想された。これらの研究成果は投稿論文にまとめ、Cytogenetics and Genome Researchに受理されている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kuroiwa A, Yokomine T, Sasaki H, Tsudzuki M, Tanaka K, et al.: "Bialleic expression of Z-linked genes in male chickens"Cytogenetics and Genome Research. (2003)