2002 Fiscal Year Annual Research Report
チェックポイントコントロールにおけるRad24-RFC複合体の作用機構の解明
Project/Area Number |
01J01742
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内木 隆寛 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | チェックポイント / DNA損傷 |
Research Abstract |
真核生物では、DNA損傷に応答してチェックポイントが活性化し、細胞周期の停止を引き起こす。出芽酵母のDNA損傷チェックポイントにおいて、ATM関連因子Mec1は中心的な役割を果たしている。Mec1はキナーゼであり、DNA損傷部位に結合する。Mec1の周辺ではDdc1、Mec3、Rad9、Rad17、Rad24が機能する。このうちDdc1とRad9はDNA損傷が生じるとMec1依存的にリン酸化される。Ddc1はMec3、Rad17と複合体を形成し、Rad24の下流で機能する。Ddc1、Mec3、Rad17はRad24に依存して、DNA損傷部位周辺に結合することが明らかになっている。一方、Rad9のDNA損傷時の局在は不明である。Rad9が損傷DNAに結合するのか、配列特異的にDNA二重鎖切断をおこすHOエンドヌクレアーゼとクロマチン免疫沈降法を用いて解析した。その結果、Rad9はHOエンドヌクレアーゼによるDNA二重鎖切断部位周辺に結合することが明らかになった。Rad9の損傷DNAへの結合がどのように制御されているのか、他のチェックポイント因子との関係について検討した。その結果、mec1破壊株、mec1キナーゼネガティブ変異株では、DNA二重鎖切断に応答したRad9のリン酸化はまったくみられず、DNA二重鎖切断部位への結合も検出できなかった。従ってRad9のDNA二重鎖切断部位への結合にはMec1のキナーゼ活性が必要であると考えられる。
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