2003 Fiscal Year Annual Research Report
非線形空力特性を持つデルタ翼のロール自励振動現象の解明とその物理モデルの構築
Project/Area Number |
01J01749
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松野 隆 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 非定常空気力学 / デルタ翼 / 大迎角飛行 / ロール運動 / 非定常圧力計測 / 流れの可視化 / 空力デバイス |
Research Abstract |
後退角の小さいデルタ翼に生じるロール自励振動の機構解明と特性解析を行い,振動を抑制する空力デバイスの提案および開発を行うことを目標とし研究を行った. 本年度は,前年度までに行われた失速迎角でのロール運動時の非定常ロール特性の解析結果を元に,流れ場が翼の運動に与える影響をより直接的に測定するため,翼面上に非定常圧力センサを設置し,翼固定時の定常圧力および運動時の非定常圧力測定を行った.この結果を流れ場の可視化結果と比較することによって,翼表面での前縁剥離渦および大剥離が示すきわめて非対称な流れ場と,翼に加わる圧力・ローリングモーメントの関係を明らかにすることができた.また運動時の流れ場が持つ時間遅れ特性に関して,翼面上の前縁剥離渦の崩壊遅れや流れ場の遷移の時間変動が運動に与える影響を解析した.これらに関してはそれぞれ日本航空宇宙学会論文集に投稿・掲載された(掲載:"45°デルタ翼の失速域におけるウイングロックの振動機構,"日本航空宇宙学会論文集,Vol 52,No.601,2004,pp.80-86,投稿中:"45°デルタ翼における流れ場の不連続変化の可視化解析,"日本航空宇宙学会論文集).また非定常特性に関しては,2004年4月の日本航空宇宙学会第35期年会講演会において発表のうえ学術雑誌に投稿する準備を行っている. また,現在前年度までに行った微小フラップによるロール角制御実験の結果をまとめ,自励振動を抑制する制御デバイスの提案として学術雑誌に投稿準備を行っている.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 松野 隆, 横内 滋, 中村 佳朗: "45°デルタ翼の失速域におけるウイングロックの振動機構"日本航空宇宙学会論文集. Vol.52, No.601. 80-86 (2004)