2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質相互作用に基づくシアノバクテリアの概日時計蛋白質の探索と解析
Project/Area Number |
01J01761
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北山 陽子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | シアノバクテリア / 生物時計 / 転写制御 / Far-western法 |
Research Abstract |
本研究では、シアノバクテリアにおいて生物リズムをつくりだすもととなるタンパク質を同定する試みを行った。シアノバクテリアにおいてはkaiABC遺伝子群が生物リズムの発生と維持に必須の働きをもっており、特にKaiCタンパク質が生物時計機構の中心要素であることが分かっている。そこで、私はKaiA,KaiB,KaiCと相互作用するタンパク質をYeast Two-Hybrid法及びFar-western法を用いて探索した。Yeast Two-Hybridスクリーニングで得られた候補遺伝子は残念ながらどれも擬陽性のクローンであったことが判明したが、Far-western法でKaiCタンパク質の結合因子をスクリーニングした結果、いくつか候補遺伝子が得られた。さらにそれらについて解析をすすめた結果、そのうちの一つの遺伝子がin vitroでもKaiCに結合することが確認できた。そこでDNAハイブリダイゼーションを行い、全長のクローニングをおこなったところその遺伝子はDNA複製の開始因子であるdnaAと高い相同性をもつ遺伝子であることがわかった。この遺伝子のシアノバクテリア概日時計機構における機能を明らかにするため、破壊株の作製、発現解析、細胞内におけるKaiCとDnaAの相互作用測定、二重変異株を作製し遺伝的相互作用のなどをおこなった。それらの結果から、シアノバクテリアにおいてはdnaA遺伝子がKaiCと相互作用して概日リズムを維持する働きがあることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kitayama Y, Iwasaki H, Nishiwaki T, Kondo T: "KaiB functions as an attenuator of KaiC phosphorylation in the cyanobacterial circadian clock system"EMBO J. 22. 2127-2137 (2003)
-
[Publications] Kitayama Y, Kondo T, Nakahira Y, Nishimura H, Ohmiya Y, Oyama T: "An In vivo Dual-Reporter System of Cyanobacteria Usina Two Railroad-Worm Luciferases with Different Color Emissions"Plant Cell Physiology. 45. 109-113 (2004)