2002 Fiscal Year Annual Research Report
優れた不斉識別能を有する多糖誘導体の設計と合成,及びその応用
Project/Area Number |
01J01802
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
窪田 隆輝 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光学分割 / HPLC / キラル固定相 / 多糖誘導体 / 不斉識別 / ラジカル重合 / 固定化 |
Research Abstract |
1)優れた光学分割能を有する多糖誘導体の側鎖の一部に重合性のビニル基を導入し、シリカゲル上でビニルモノマーとラジカル重合することで、多糖誘導体のシリカゲル上への固定化を試みた。様々な固定化条件を比較検討した結果、固定化に用いるビニルモノマーの量が少ない方が、得られる固定相の光学分割能は高くなることがわかった。また、多糖誘導体に導入するビニル基の種類やその導入方法、固定化に用いるビニルモノマーの種類を変えても、固定化が効率良く進行し、誘導体をほぼ完全にシリカゲル上に固定化できることを見いだした。さらにこれらの固定相において、溶離液にクロロホルムを加えて使用することが可能であった。HPLCによる光学分割では、溶離液の種類や組成を適切に選択することで、はじめて光学分割可能になるラセミ体も数多く存在していることから、様々な種類の溶離液を使用可能にする本手法は、次世代型のキラル固定相の作製方法として有用であると思われる。 2)セルロースやアミロースのシクロアルキルカルボキシレートを合成し、その光学分割能を評価したところ、セルロースのシクロペンチル及びシクロヘキシルカルボキシレート誘導体などが、メタノール/水の逆相系で、多くのラセミ体に対して高い光学分割能をし、実用的なHPLC用キラル固定相となりうることがわかった。 3)ドイツのフェグトル教授らとの共同実験において、酵素重合により調製したアミローストリス(3,5-ジメチルフェニルカルバメート)(AD)の一点化学結合型カラムを用いて、構造上極めて興味深い、ノットにデンドリマーが連なったデンドロノットや、ノットが二つ連なったダンベルノットの光学分割に成功し、多糖誘導体を用いた光学分割の新しい可能性を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kubota, C.Yamamoto, Y.Okamoto: "Chromatographic Enantioseparation by Cycloalkylcarbamate Derivatives of Cellulose and Amylose"Chirality. 14. 372-376 (2002)
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[Publications] J.Recker, T.Kubota, Y.Okamoto, F.Vogtle et al.: "Dendronized Molecular knots : Selective Synthesis of Various Generations, Enantiomer Separation, Circular Dichroism"Chem. Eur. J.. 8. 4434-4442 (2002)
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[Publications] O.Lukin, T.Kubota, Y.Okamoto, F.Vogtle et al.: "A Topologically Chiral Molecular Dumbbell"Angew. Chem. Int. Ed.. 42. 442-445 (2003)