2002 Fiscal Year Annual Research Report
地方改良運動期における模範村の影響と町村自治の研究
Project/Area Number |
01J01829
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
田口 有希夫 東京農業大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 地方改良運動 / 農村振興 / 町村自治 / 模範村 |
Research Abstract |
研究題目『地方改良運動期における模範村の影響と町村自治の研究』に沿い,平成14年度は,当初の研究計画を踏まえ,三大模範村の個別調査,内務省が明治三十年代から展開した地方改良事業に関する文献調査を行った. 個別調査に関しては,宮城県名取郡生出村,千葉県山武郡源村を中心に現地調査および文献調査を行い,多くの文献の収集ができ,行政町村独自の自治および経済的振興に関する知見を得ることができた.特に,模範村である生出村の自治,経済的振興は,市制町村制以来,村長を中心として行われており,そのリーダーシップが注目される.また,生出村の振興に関しては,地方改良運動以前の地方産業振興運動の影響も見ることができた. 内務省が展開した地方改良運動に関しては,同時代の内務省文献の調査,収集を行い,国家政策としての課題はどのようなものであり,どのような方法で展開されたのかについて知見を得ることができた.特に,独自的に展開されてきた模範村の振興事例を取り込み,画一的に全国町村に求める具体的課題について知見が進んだ. 平成14年度は,個別調査および地方改良運動の調査を行い,模範村および地方改良運動全体に関する具体的な知見を進めることができた.今後は,これらの個別具体的な知見を総合し,博士論文として地方改良運動と模範村がどのような関係を持ち,地方町村にどのような影響を与え,同時代においてどのような意味を持つものであったのか,総合的な分析を行い,研究成果を発表する予定である.
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