2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・ナノチップを用いた新たな染色体DNA解析法の開発
Project/Area Number |
01J01908
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平野 研 徳島大学, 薬学部, 特別研究員PD
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Keywords | DNA / 染色体 / 1分子操作 / レーザートラップ / ナノバイオ / バイオテクノロジー / ナノテクノロジー / マイクロマシン |
Research Abstract |
ポストヒトゲノムに求められる、ゲノム創薬・ゲノム医療が国民の健康を守る治療から予防へ向けた21世紀の重要な課題となってきた。その柱を成すと思われる遺伝子治療を実現するためには、ゲノムレベルでの遺伝子配列を染色体の特定の位置に選択的にターゲッティングする技術の確立が必要であり、そのために染色体のハンドリング・マニピュレーションを個々のレベルで実現する必要がある。しかし、これらの技術は染色体レベルではサイジングや分離の高速化が進んでいないのが現状である。そこで、本年度は、マイクロスケールでの流体ネットワークを利点とするマイクロチップを用いることで弁別・回収を個々の粒子レベルで行った。マイクロスケールの流路を有するマイクロチップでは、レーザートラップなどの光圧力が有効に作用すると思われたため、このレーザートラップにより微粒子の回収を試みた。レーザートラップでは、レーザーがレンズにより絞り込まれることにより、微粒子に対して焦点に向けた勾配力が作用する。そこで、流れ方向と垂直にレーザーの勾配力を作用させることで、目的の微粒子を弁別・回収することが可能となった。この技術は、レーザー照射の有無により、回収操作が可能であるため、従来の流れを制御する方法と比べ制御が容易である他、従来は弁別できる種類が数種類に限られていたがこの技術では(マイクロチップの集積化技術も伴って)、原理的に数100種類を分離・回収することが可能である。また、レーザーによる勾配力は、染色体に限らず、細胞などの微粒子にも応用可能であるため、ゲノム・プロテオーム解析において重要な高速技術を提供するものと期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yukiko Matsuzawa: "Geometric manipulation of DNA molecules with a laser"Applied Physic Letter. 81・18. 3494-3496 (2002)
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[Publications] Ken Hirano: "Manipulation of single coiled DNA molecules by laser clustering of microparticles"Applied Physic Letter. 80・3. 515-517 (2002)