2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規化学反応解析手法に基づいたダイヤモンド半導体の材料設計
Project/Area Number |
01J02031
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 宏之 金沢大学, 理学部, 学振特別研究員(PD)
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Keywords | 第一原理計算 / 量子化学計算 / QMMM法 / ダイヤモンド / 半導体 / 結晶成長 / CVD / シリコンカーバイド |
Research Abstract |
ダイヤモンドは高硬度やワイドバンドギャップ等の優れた特性を持ち、不純物半導体の電子伝導性が極めて高いことから、シリコンに代わる電子デバイス材料として期待されている。現在、Chemical Vapor Deposition(CVD)によってダイヤモンド薄膜が作成されているが、高品位のダイヤモンド薄膜を作成するためには結晶成長機構の理解が必要不可欠である。本研究では、化学反応が起こる部分を第一原理量子化学計算、周囲の結晶格子を分子力学法で扱うQMM/MM法を用いて、CVDダイヤモンドの成長機構を解析した。CVD成長の原料ガスのCH_3分子とダイヤモンド(100)面との反応を解析し、成長の律速段階の活性化エネルギーを明らかにした。 シリコンカーバイド(SiC)はダイヤモンドと同様にシリコンを超える性能を持つ半導体材料として、高温・高電圧の条件で動作する電子デバイスやセンサー等に利用されている。SiC薄膜の作成や加工のために、その表面化学の解明に関心が集まっている、そこでQM/MMを用いてSiC表面の構造および化学反応を解析した。SiC(100)面上のダイマー構造に関して、電子状態、および反応性の特徴を明らかにした。SiC(100)のSi終端面はC終端面と比べπ結合による安定化が小さく反応牲が高いことが分かった。シリコン、ダイヤモンド、SiCは同様の結晶構造を持つが、格子定数の違いにより(100)表面上のダイマーの電子状態が異なり反応性に影響を与えることを明らかにした。これらの結果については学会で発表した (American Conference of Theoretical Chemistry,2002,7月)。
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Research Products
(1 results)