2003 Fiscal Year Annual Research Report
イネゲノムの核内構築に関する機能的解析-イネ核タンパク質の網羅的単離と機能解析
Project/Area Number |
01J02103
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
守口 和基 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネゲノムの核内構築 / 核タンパク質 / 網羅的単離 / NTTシステム |
Research Abstract |
イネ核タンパク質を網羅的に単離し、その全体の構成を明らかにする事、遺伝子情報や核内での局在性等で分類し、核中でゲノムを機能的に構築し作動させるために、何が必要であるかに迫る事を目的とし、これまで解析を行ってきた。本年度は、これまでのNTTスクリーニングにより得られたイネ核タンパク質データをまとめ、国際学会での発表と論文の投稿を行った。更に得られた新規核タンパク質の中から、(1)核構造の維持に必須であるにも関わらず、植物において知見の乏しい核マトリックスタンパク質、(2)核内の状態がドラスティックに変化すると考えられる、生殖細胞形成ステージにおいて機能する核タンパク質、の可能性のあるものを探索した。(1)については、4種の候補タンパク質について、全長をコードするcDNAを単離し、GFP又はDsRed2との融合タンパク質をタマネギで発現させ、核マトリックスでの局在様式について解析した。この中でOsAHP1,OsNMCP1a,OsNMCP1bの3種については、抗体を作製するために大腸菌で部分タンパク質を大量発現させて回収・精製した。(2)については、マイクロアレイによる1次スクリーニングの後、1種の新規タンパク質について着目し、In Situ Hybridization解析の結果、特に花粉母細胞において高発現が見られることを見いだした。このタンパク質についても、大腸菌で発現させた全長タンパク質を回収・精製した。また、この遺伝子を(a)CaMV 35S promoterを用いて過剰発現させたイネ、(b)RNAiにより発現抑制したイネ、を作製するために必要なコンストラクトを構築した。(1),(2)で作製した抗体を用いたイネ細胞内局在解析・相互作用タンパク質の解析と、(2)のトランスジェニックイネの解析については、引き続き研究指導者の研究室にて行われる。
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