2002 Fiscal Year Annual Research Report
イネゲノムの核内構築に関する機能的解析-イネ核タンパク質の網羅的単離と機能解析
Project/Area Number |
01J02103
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
守口 和基 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネゲノムの核内構築 / NTTシステム / 核タンパク質 / 網羅的単離 |
Research Abstract |
平成14年度は,昨年度に行ったNTT (Nuclear Transportation Trap)システムを用いたイネ核タンパク質のスクリーニングを終了し、最終的に約520種のタンパク質をコードすると推定されるcDNAを得た。このうち約41%は機能既知のタンパク質とホモロジーを示さなかった。昨年に引き続き、これら機能未知のタンパク質の一部をGFP融合タンパク質としてタマネギの表皮細胞で発現させたところ、7割以上は実際に植物核へ移行することが示された。これらの結果は、NTT法が植物の新規核タンパク質のスクリーニングに有用であることを示している。次に使用した初期胚ステージ、生殖細胞形成ステージ由来のcDNAライブラリーからトラップされた遺伝子の中で、どの程度の割合で各ステージで発現が誘導される核タンパク質遺伝子がふくまれているかを、マイクロアレイ解析を用いて調べたところ、それぞれ10%, 13%の遺伝子について発現が誘導されていた。この結果からNTT法による解析は、生化学的解析に充分な量や純度の核を得るのが難しい材料からの核タンパク質の解析に適していることが示された。現在はNTTスクリーニングで得られたタンパク質から、特に植物ではほとんど解析の進んでいない、核マトリックスタンパク質について解析を行うために、先ず5種の候補タンパク質に絞り込んで、核内の局在性とタンパク質間相互作用の解析を進めている。本年度の成果については、日本育種学会第102回講演会、日本分子生物学会第25回年会にて発表をおこなった。また、これまでの研究成果についての論文を現在投稿準備中である。
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