2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマーカーを用いたノコギリガザミ属の遺伝的変異性および繁殖様式の解明
Project/Area Number |
01J02153
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
伏屋 玲子 独立行政法人水産総合研究センター, 西海区水産研究所・石垣支所, 特別研究員(PD)
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Keywords | アミメノコギリガザミ / マイクロサテライトマーカー / 遺伝的変異性 / ヨツハモガニ / 多型解析 / 地理的変異性 |
Research Abstract |
[目的]雌の貯精嚢の精包から交尾した雄の数を推定し、繁殖様式による比較を行うため、ノコギリガザミ属とは繁殖様式が異なり甲殻の堅い時に交尾を行うクモガニ科のヨツハモガニPugettia quadridens quadridensについて、今年度前半に新たにマイクロサテライトマーカーを開発した。本研究では開発したマーカーの多様性について検討するとともに、ヨツハモガニ2集団(岩手県宮古、千葉県坂田)の標本について地理的変異性の検討を行った。 [材料と方法]歩脚の筋肉を用いてフェノール・クロロホルム法によりゲノムDNAを抽出し、開発したヨツハモガニマイクロサテライトマーカーのうちPqq19、Pqq45、Pqq56の3つのマーカーを用いてPCRを行った。変性ポリアクリルアミドゲルにより電気泳動を行い、得られた泳動像からマイクロサテライトマーカーによる多型解析を行った。 [結果]用いた全てのマーカーで多型がみられ、Pqq56マーカー座において宮古と坂田でアレルサイズが異なる傾向が見られた。宮古と坂田の2集団を比較すると坂田集団の方が3マーカー座を通してアレル数は多いが、ヘテロ接合体率(Ho)はPqq45を除いて低く、集団間での多様性の程度が異なることがわかった。また、3つのマーカーおよびPqq45とPqq56の2つのマーカーを用いて、2集団間の均質性の検定を行った結果、2集団間において有意な差が認められ(p<0.001)、宮古と坂田の集団間に遺伝的な違いがあることが明らかになった。 本年度は東京海洋大学から水産総合研究センターへの研究費の移行が遅れ、実際に石垣支所にて研究費が使用できたのが平成16年3月からであった。
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Research Products
(1 results)