2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J02246
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岸 康弘 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イデアル類群 / 類数 / 2次体 / 3次巡回体 / 4次巡回体 / 基本単数 / 多項式 |
Research Abstract |
一次分数変換を用いて、Shanksタイプと呼ばれる3次多項式からワンパラメータを持つ3次巡回多項式の族を構成した。この多項式が持つ性質として、2つの根をθ_1,θ_2とするとき、{θ_1,θ_2}が整環Z[θ_1,θ_2]の基本単数系となること、またある条件の下では{θ_1,θ_2}が分解体の基本単数系となることを示した。これにより、その分解体の類数に対する下界も得られた。この結果と計算機(GP/PARI)を用いることにより、この族に属する多項式が与える3次巡回体の中で、類数が1万未満のものをすべて決定した。ワンパラメータを持つ3次多項式の族で以前から知られていたものとしては、Shanksタイプ、Lecacheuxタイプの2つのみであるが、これらの多項式と、今回与えた多項式との関係についても明らかにした。 また、ある4次巡回体Mのイデアル類群の5-rankと、Mに対して素数5での鏡映的関係にある2つの2次体κ_1,κ_2のイデアル類群の5-rankとの間にある関係を明示的な等式として与えた。これはκ_1及びκ_2の元から、有理数体に正規で、M上5次の不分岐巡回拡大を生成する多項式をすべて構成することによる。この結果を用いることにより、1978年に、ある虚4次巡回体に対して類数が5で割れるための必要十分条件を与えたParryの結果に対する別証明を与えることができた。最後に、計算機(GP/PARI, MAPLE8)を用いたいくつかの数値実験が、今回の結果の指針を与えたことを付記しておく。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 岸 康弘: "A Family of Cyclic Cubic Polynomials whose Roots are Systems of Fundamental Units"Tokyo Metropolitan University Mathematics Preprint Series. No.11. 1-13 (2002)
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[Publications] 岸 康弘: "The Spiegelungssatz for p=5 from constructive approach"Tokyo Metropolitan University Mathematics Preprint Series. No.5. 1-24 (2003)