2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J02249
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安藤 直也 熊本大学, 理学部, 講師
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Keywords | 種数 / 極小曲面 / 指数 / 孤立臍点 / Hopf-Poincareの定理 / 一次元分布 / Willmore曲面 / Hartman-Wintnerの結果 |
Research Abstract |
1.LawsonはS^3の中に任意種数のコンパクト向き付け可能な極小曲面を構成したが,その中で種数2のものは指数-1の孤立臍点を2つ有するものと指数-1/2の孤立臍点を4つ有するものがあった(厳密な議論はまだ行っていない).Hopf-Poincareの定理によると,種数2の極小曲面の孤立臍点の個数と各孤立臍点の指数の取り得る値は上述のもの以外に次のものがある:(a)指数-2の孤立臍点1つ;(b)指数-3/2の孤立臍点1つと指数-1/2の孤立臍点1つ;(c)指数-1の孤立臍点1つと指数-1/2の孤立臍点2つ.種数2のコンパクト向き付け可能な2次元可微分多様体上には(c)のような一次元分布は存在する一方で(a), (b)のような一次元分布は存在しないことがわかった(このことを厳密に表現するには至っていない).従って(c)については極小曲面としての存在を今後吟味したい.ところで以上の議論を一般化しようと試み,次の予想に至った:gを2以上の整数とし,i_1,...,i_m (m∈N)は半整数(つまりある整数の半分と表される有理数)でΣ^m_<j=1> i_j=2-2gを満たすとするとき,コンパクト向き付け可能かつ種数gの2次元可微分多様体上にi_1,...,i_mを指数とするm個の特異点を有する一次元分布が存在するための必要十分条件は整数n∈{1,2,...,m-1}が存在してi_1,...,i_mの添え字を適当に置き換えることによってΣ^n_<j=1> i_j=Σ^m_<j=n+1> i_jを得ることができることである.g-0または1の場合には反例が存在する. 2.Willmore曲面上の孤立臍点の指数は1/2以下であることを示した;KusnerによるWillmore射影平面の例とHopf-Poincareの定理により,指数についてのこの評価は最良であることがわかる.Willmore曲面をR^3∪{∞}の共形変換によってうつすとその像はやはりWillmore曲面であることがわかるので,孤立臍点の近傍を次数が0,1,2の偏微分係数が(0,0)で全て0であるような二変数関数Fのグラフとして表すことができる.一方Hartman-Wintnerの結果から,(0,0)でのFの全ての偏微分係数は0ではないことがわかる.そして孤立臍点に関して私が今までに行なってきた研究方法を用いて,大体の場合に孤立臍点の指数は1/2以下であることがわかる.私が今までに扱ったことがない状況が現れたが,このときにも1/2以下であることを示すことができた.
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[Publications] Naoya Ando: "A class of real-analytic surfaces in the 3-Euclidean space"Tsukuba Journal of Mathematics. 26. 251-267 (2002)
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[Publications] Naoya Ando: "The behavior of the principal distributions on a real-analytic surface"Journal of the Mathematical Society of Japan. (未定).