2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J02276
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大坪 玲子 東京都立大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 聖域 / イエメン / 南アラビア |
Research Abstract |
本研究は、イエメン共和国を中心とした、南アラビアにおける「聖域」に関する人類学的研究を目的とする。現地調査と文献資料を用いて、人類学と歴史学との両方のディシプリンと研究成果を統合し、南アラビアの聖域であるヒジュラ、ハウタ、ハラムと、ヨーロッパのアジール、日本の「無縁所」などの他地域の聖域との比較を行い、人類学的な聖域研究一般の中に位置づけることをめざすものである。 今年度は追跡調査、文献資料の収集及び論文執筆を行った。追跡調査は7月18日から9月16日までイエメン共和国で行った。南アラビアの聖域の1つであるヒジュラに関してはイエメンにおけるヒジュラ研究の第一人者であるI.アル=アクワー氏と中世から学者を輩出しているワジール家の写本を読み、またイマーム・アル=マンスール(在位1197-1217)の時代のヒジュラであるダール・アル=マイン、サァダで簡単な測量と周辺住民へのインタビューを行った。イエメンのハドラマウト地方の聖域であるハウタに関しては現地で簡単な測量、周辺住民のインタビューを行った。追跡調査の結果は10月にハドラマウト研究会(文部科学省科学研究費創成的基礎研究現代イスラーム世界の動態的研究:イスラーム地域研究・研究班5を継続した研究会)で報告された。文献資料の収集に関してはアジール及び「無縁所」を中心に行った。今年度の研究成果は「イマーム・アル=マンスール時代の諸ヒジュラとその役割」「中世の聖域比較」として準備中である。
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