2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J02505
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
桐田 あかね 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 体節 / シグナル分子 / シグナルシークエンストラップ法 |
Research Abstract |
すべての脊椎動物には、脊椎骨や肋骨といったからだの前後軸に沿った繰り返し構造がある。この繰り返しパターンはすべて、発生初期に形成される体節中胚葉の分節化に由来する。分節化とは、細長い板状の体節中胚葉が、その前方より順次周期的に等間隔に切断されていく現象をいう。本研究は、未分節中胚葉の細胞群が、お互いに密接にコミュニケーションをとりつつ分節化を遂げるという可能性に注目し、細胞外で重要な役割をもつシグナル分子を網羅的に同定することを目的としている。そこでまず、体節中胚葉特異的なcDNAライブラリーを作成し、その中からさらにシグナル配列を有する遺伝子をシグナルシークエンストラップ法を用いて探索することを試み、これまでに以下の成果を得た。 27948万クローンのスクリーニングを完了し、152個のシグナル分子候補遺伝子を得た。既知分子の中にはTGF-βファミリーやフォリスタチンといった発生現象に関与することが既に知られているシグナル分子、また受容体型タンパクやチャネルタンパクなどが存在した。 これらのシグナル分子候補遺伝子の中から、トリ胚において分節現象に関わると予想される分子を選出するために、ホールマウントインサイチィウハイブリダイゼーション法を用いて、これらの遺伝子のmRNAの発現部位を検討した。その結果、16クローンが分節時期の体節領域に特異的に発現することが明らかとなった。また、さらに後期の体節形成期におけるこれらの遺伝子の発現も合わせて解析したところ、体節中に様々なパターンで発現が認められた。これらの結果から、分節過程およびより後期の体節形成過程にもこれらの候補遺伝子が機能していることが示唆された。これらの成果を論文にまとめ、現在、国際誌に投稿中である。 さらに、これらの遺伝子の中から特に興味深い遺伝子に関して、トリ胚を用いた機能解析を行っており、興味深い結果を得ている。
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Research Products
(1 results)