2002 Fiscal Year Annual Research Report
ルイ14世の王室礼拝堂副楽長ギョーム・ミノレの現存作品の批判版作成と作品分析
Project/Area Number |
01J02588
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Research Institution | Elisabeth University of Music |
Principal Investigator |
馬場 有里子 エリザベト音楽大学, 音楽研究科, 特別研究員
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Keywords | 音楽史 / バロック / フランス / グラン・モテ / ギョーム・ミノレ |
Research Abstract |
1 ミノレの作品の音楽様式分析 ミノレの現存全作品(クリスマス・ミサ曲1曲、プティ・モテ1曲、グラン・モテ6曲、トリオ・ソナタ1曲)を対象に、当時の主要な作曲家との比較を交えながら、詳細な様式分析を行った。結果、ミノレの現存する作品には、彼より前の時代の作曲家らに見られる特徴とその後の時代における特徴との双方が共存していることが明らかになり、いわば様式が変遷していく過渡期に書かれたものと位置付けられる側面のあることが分かった。しかし同時に、殆ど他には見られることのない独特の手法も用いられており、ミノレの独自性についても明らかにすることが出来た。 2 ミノレの生涯・経歴 H13年度に調査、読解した種々の古文書史料に加え、ミノレの生年及び没年に関する史料研究を行った。生年については史料焼失等の理由のため正確に突き止めるには至らなかったが、没年については、死の直前に作成された遺言、死後に作成された財産目録等によって、従来の誤った没年を訂正する裏付けを得ることが出来た。 ※今後は、研究の主要な部分として作成した作品批判版をフランスのヴェルサイユ・バロック音楽センター(Centre de Musique Baroque de Versailles)から出版するための準備を進めると共に、ミノレの作品に対する美学的側面からの研究ないし同時代の作曲家らの作品との更に詳細な比較、及びミノレの生涯についての未だ不明な部分についての史料調査を継続して行っていく。
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Research Products
(1 results)