2002 Fiscal Year Annual Research Report
ATP感受性K^+チャネルの細胞内ヌクレオチドによる開閉制御機構の解明
Project/Area Number |
01J02639
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田邊 公一 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ABC protein / ATP / photoaffinity-labeling / sulphonylurea receptor / peroxisome |
Research Abstract |
1. ATP感受性K^+チャネルはチャネルサブユニットKir6.2と調節サブユニットSUR(1:1の比で会合している)によって構成されており、細胞膜電位を調節することによって様々な重要な生理機能を果たしている。本研究では、ATP感受性K^+チャネルを生化学的手法で解析し、ヌクレオチドによる開閉調節機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。SUR1とKir6.2を連結させた融合タンパク質(SUR1-Kir6.2)を発現させた動物培養細胞の膜画分とATPの光親和標識アナログである8-azido[^<32>P]ATPを用いて光親和標識実験を行った。その結果、動物培養細胞で発現させたSUR1-Kir6.2におけるSUR1の部分はSUR1単独の場合と同様のヌクレオチド結合特性を有することを明らかにした。また、昆虫培養細胞においてC末端にヒスチジンタグを付加したSUR1-Kir6.2を大量発現させ、Ni-agaroseを用いた精製を試みた。粗精製標品を、電子顕微鏡を用いて分子構造を明らかにしようとしたが、精製純度が低いこととタンパク質溶液に含まれる成分の問題から、分子構造を明らかにすることは出来なかった。 2.上記研究課題と並行して、ペルオキシソームABCタンパク質(PMP70、ALDP)の生化学的解析を行った。ペルオキシソームABCタンパク質は、長鎖脂肪酸のペルオキシソーム内への能動輸送を行うと考えられている。PMP70、ALDPのATPとの相互作用・加水分解、リン酸化状態について明らかにすることを目的として研究を進めた。 ラット肝臓ペルオキシソーム画分を用いて、光親和標識実験を行い、PMP70、ALDPが複合体を形成し、ATP加水分解活性を有することを明らかにした。また[gamma-^<32>P]ATPと特異的キナーゼ阻害剤を用いてPMP70、ALDPがチロシンリン酸化を受けることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)