2002 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会の環境論理と生活者の環境認識についての社会学的研究
Project/Area Number |
01J02762
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井戸 聡 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 環境 / 地域社会 / 生活 / 保全 / 観光 / 自然 / 認識 |
Research Abstract |
本年度は、以前から継続中の四国、関西でのフィールドワークを引き続き行った。また、雑誌・文献資料館などに出張し、文献資料調査を行った。 以前から継続していた京都東北部の山村での調査の成果を、地域社会の観光実践と都市-農山村関係のなかで発生する環境認識との連関を文献資料の調査の成果を交えながら考察し、研究会などで報告するとともに報告書としてまとめた。 この論文では地域社会の観光実践において、都市社会が醸成している自然環境へのまなざしが大きく関連していることを、聞き取り調査や文献調査から得られたデータを示しながらまとめた。地域生活者によってになわれる観光実践は地域社会の自然環境を保全し、地域活性化の一助として位置づけられ地域の重要な活動となっているが、この実践の背景に存在している都市的な思想によって支えられ、都市的な論理によってマスツーリズム化している実態を明らかにした。環境へのまなざしの歴史的変化を追い、その変化にともない人々の実践も変化する過程を描き出している。 また、自然環境が観光資源化するプロセスを地域の開発の歴史、具体的にはダム開発の経緯との関連のなかでみることで、地域社会の観光実践の社会史的な解明が進むのではないかと考えをもとに、関係資料の収集、聞き取り調査を進めて考察し、研究会で報告した。 これらは本年度中に、雑誌論文としてまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)