2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J02845
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
横野 貴志 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | D-braneと反D-brane / 暗黒物質 / インフレーション / タキオンマター / ホーキング温度 |
Research Abstract |
我々の宇宙は弦理論の立場からはD-braneとして記述することが可能であると思われている。もし、そうだとすると我々の宇宙の暗黒物質やインフレーションはどのように記述されるのか?というのは興味深い問題である。その答えの1つとして、D-braneと反D-braneが対消滅して重力としか相互作用しない"タキオンマター"が残るというアイデアが最近提唱された。このシステムではD-braneと反D-braneの間をつなぐ「ひも」のモードの1つであるタキオンモードが期待値を持つ過程として記述される。 タキオンがインフラトンとして振るまい、タキオンマターが暗黒物質として振るまうというアイデアである。タキオンマターは古典的には安定な物体として振るまう。 今回の研究では量子論的な効果を取り入れた場合のタキオンマターの安定性について調べた。タキオンマターはエネルギーはあるがプレッシャーのないガスとして見ることができる。まずはそのような物体に対する超重力理論の真空解を構成した。その解に対する量子論ゆらぎはホーキング温度の大きさで計ることができる。我々の解析ではホーキング温度は発散しており、これは量子論的に非常に不安性であることを意味している。 今後はStringの効果を取り入れた解析が望まれる。
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Research Products
(1 results)