2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J03088
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池亀 彩 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 王権 / 植民地主義 / 公共牲 / インド |
Research Abstract |
研究の2年目にあたる今年度は、昨年度に行われた長期のフィールド・ワークの補足的調査が行われた。海外調査は4月にインド・マイソール市へ、7月にイギリス・ロンドン市およびフランス・パリ市への、それぞれ約一か月間の調査である。科学研究費による海外渡航調査は7月のロンドン・パリ調査である。マイソールでは、インタビューや春期に行われるさまざまな祭礼の調査を行った。7月の調査は、主に文献調査で、ロンドンでは大英図書館内のインディアン・オフィス・コレクションを調査し、パリではパリ海外宣教師派遣協会で植民地期の写真資料などを主に調査した。 また5月に行われた日本民族学会では「武将から貴族へ:南インド・マイソールの王族カースト・アラスに関する歴史人類学的研究」というタイトルで、さらに10月に行われた日本南アジア学会では、「王の取り分:間接統治下マイソール藩王国の土地制度・婚姻戦略・地位をめぐる歴史人類学的研究」というタイトルで、それぞれ口頭発表を行った。 さらに、これまでの研究の成果の一部を「Becoming Gentlemen : Politics of education among the ruling caste in Princely state of Mysore(ジェントルマンになること:マイソール藩王国の統治カーストにおける教育の政治学)」というタイトルの英文論文として学術雑誌『南アジア研究』に投稿した。 本年度の研究では、イギリス植民地時代の王や王族たちが、新たな社会の代表者となるためにとった様々な戦略を明らかにし、近代におけるパブリック(公共)の意義を考察することができた。
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