2002 Fiscal Year Annual Research Report
「満洲国」統治と東アジアにおける植民地の構造連関―政策と民族問題の視点から―
Project/Area Number |
01J03099
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 隆一 京都大学, 人文科学研究所・日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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Keywords | 満洲国 / 朝鮮植民地支配 / 日本帝国主義 / 帝国 / 中国朝鮮族 / 在満朝鮮人 / ハルビン / 中国近代史 |
Research Abstract |
本研究は「満洲国」と植民地朝鮮および日本本国との相関関係を中心として「満洲国」政治史研究を行なう一方、「在満朝鮮人」社会の実態分析を行なうことにより「満洲国」統治を広く日本植民地帝国のなかに構造的に位置付けることを通じて、近代東アジアの政治変動と社会的変容過程を総体的に解明することを目的としている。研究第二年度は「満洲国民」の創出に関わる国籍・教育・徴兵制をめぐる「在満朝鮮人」政策について検討したほか、「満洲国」統治を日本の帝国支配の中に構造的に位置付けるための方法論的考察を「満洲国」統治機構の形成過程、民族問題、民族運動とその弾圧、「満洲国」をめぐるアジア認識に即して行なった。他方、本年度は昨年に引き続き、中国ハルビン市図書館・档案館をはじめ、吉林省档案館、長春市図書館、遼寧省档案館、延辺大学図書館などの国外関係機関や、早稲田大学、外務省外交史料館などの国内関係機関において史料蒐集を行なった。とりわけ、近年の中国における史料公開状況には特筆すべきものがあり、これら史料の調査・分析は既存の研究水準を飛躍的に向上させるであろうことを確信するものである。研究第三年度は本年度の調査・研究実績を踏まえて、引き続き中国・韓国を中心に関連史料の蒐集・分析に努める一方、「満洲国」期の中国東北地域社会の実態解明と民族問題の分析を行ない、上記課題の達成に努めようとするものである。
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Research Products
(2 results)