2002 Fiscal Year Annual Research Report
照明認識機構に基づく空間の明るさ感の定量的評価法の開発に関する研究
Project/Area Number |
01J03179
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荻内 康雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員DC2
|
Keywords | 空間の明るさ感 / 仮想輝度分布法 / 照明認識 / 輝度分布 / 照明設計 / 心理評価 / 実大空間 |
Research Abstract |
昨年提案した「仮想輝度分布法」と呼ぶ明るさ感評価予測手法を実大空間の明るさ感評価予測に適用可能かどうかについて検証するため,改めて空間の明るさ感を評価する実験を行った.実験では複数の照明の組み合わせによって幅広い照明条件が再現可能な実大の空間を用意し,被験者が各照明条件について空間の明るさ感を評価した。また,あわせて被験者へのインタビューも行った. 実験と並行して各照明条件に対して,室内の輝度分布と照度分布の測定も行った.輝度分布の測定にはデジタルカメラと輝度計を使用し,照度分布の測定では照度計を使用した. 結果の解析では,室内の輝度分布をもとに仮想輝度分布法により算出した明るさ感評価予測値を明るさ感評価実験の結果と比較した.解析の結果,仮想輝度分布法による明るさ感評価予測値は実験で得られた被験者による明るさ感心理評価値と高い相関を示した.また,照明配置の違いによる明るさ感の違いも比較的正確に予測できた.これに対して,他の手法による明るさ感評価予測は,被験者による明るさ感心理評価値との相関が低かった. 以上より,仮想輝度分布法による明るさ感評価が実大空間でも有効であることが確かめられた.また,仮想輝度分布法が照明配置の最適化問題に応用可能であることが示唆された.また,被験者のインタビューとあわせて考えると,仮想輝度分布法による明るさ感評価は空間の明るさ感認識の心理過程に対して比較的妥当なモデル化を行えているといえる.
|
Research Products
(1 results)