2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J03463
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
幸 進 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 環境影響評価 / ウラン生産 / ICP-MS |
Research Abstract |
本研究の目的は,ウラン生産が周辺環境に与える影響を明らかにすることにより,原子力の利用に伴って発生する問題を解決するための基礎的知見を得ることである.中央アジア・ウズベキスタン共和国は,世界でも有数のウラン産出国であり,研究代表者は,以前から行ってきたこの地域のウラン鉱山流域の水質,土壌,植物などの調査を,さらに継続することにより,年次変化を含めた水質ついての情報を得ること,および,試料の前処理や分析方法にかんする問題を検討することを課題として研究に取り組んだ. まず分析方法の確立を目的に,ICP-MSを用いて,サクラ,ウメ,スギの樹木年輪中のAl,Mn,Uなど16の元素を分析し,手法が確立されているINAAによる分析結果と比較・検討した.実験の結果,Zn,Alなどの元素は,両分析法で結果が相違したが,これらの相違を計算により補正することで,INAAの代替としてICP-MSが利用できることを明らかにした. また,以前より継続しているウズベキスタン南部のゼラフシャン川,北部のヤンギアバッド旧鉱山周辺河川の水質分析を行った.ICP-MS分析の結果,旧鉱山の周辺河川では最高1,300ppbという高濃度のウランを検出した。これはWHOが定める飲料水の基準値の650倍に相当する値である。UやSbなど一部の重金属濃度の分布はほかの元素と明らかに異なっており,これらの重金属が人為起源から環境中に放出されていることを示すデータが得られた.これらの地域において河川の水質について公表された調査結果は少なく,今後もモニタリングを継続する必要性が明らかになった.この研究結果の一部を2002日本放射化学会年会・第46回放射化学討論会で発表した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Susumu KO, Toru AOKI, Yukio KATAYAMA: "Radioactivity of ^<137>Cs in Plant Samples at Former USSR Nuclear Test Site"Radioisotopes. 51. 591-594 (2002)
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[Publications] Ko S., Aoki T., Ohnishi H., Takada J., Katayama Y: "Distribution and Circulation of Radionuclides Originating from Fallout in a Forest"Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry. 255. 347-349 (2003)