2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ6-4光回復酵素・青色光受容体CRYファミリーの解析
Project/Area Number |
01J03581
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 百合 京都大学, 放射線生物研究センター, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 青色光受容体 / cryptochrome / 転写制御 / 光誘導 |
Research Abstract |
我々は時計遺伝子の発現制御と光応答の機構を解析することを目指し、細胞レベルで光環境に応答でき、概日周期を刻むことが知られているゼブラフィッシュの培養細胞系を用いて、ゼブラフィッシュcry遺伝子(zcry)の転写調節領域の解析を行い、以下の結果を得た。 ゼブラフィッシュから単離した6つのzcry遺伝子の発現は明暗条件下で培養したゼブラフィッシュ尾鰭由来細胞BRF41細胞においても個体で見られるのと同じ日周性変動を示した。更に興味深いことに、暗条件で培養していた細胞に光を照射することによりzcry遺伝子を含むいくつかの時計遺伝子の発現が一時的に誘導されることが判った。 光により遺伝子発現誘導がかかるzcry1aについて、転写調節領域の解析を行い、ゼブラフィッシュgenomic ibraryより、zcry1aの上流領域6kbを単離した。luciferase assay用vecter pGL3Basicにつないで、promoter/enhancer活性の測定を行ったところ、この範囲にpromoterと光照射後の一時的な発現誘導に必要な配列が含まれることが分かった。Deletion analysisによってこの領域をさらに絞り込んでいき、現在start codonより上流1kbの範囲内にpromoter/enhancerが存在していることを確認した。今後、光誘導に必要な配列やこの配列に結合するtrans-elementを同定していく予定である。 発現の光誘導に関わる光受容体やその下流で機能するシグナル伝達因子を同定すべく、上流領域6kbの制御でluciferaseを定常的に発現しているBRF41細胞を作製した。この定常発現株で、光照射後の発現誘導をみたところ、約4時間後にピークを向かえる一時的な発現の増加を観察することができた。またこのような発現の増加は光照度依存的に上昇する事が分かった。さらに、阻害剤を用いた実験からMAPK経路、PKCが光シグナル伝達に関わっていることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ishikawa, J.Hirayama, Y.Kobayashi, T.Todo: "Zebrafish CRY represses transcription mediated by CLOCK-BMAL hetrodimer without inhibiting its binding to DNA"Genes to Cells. 7. 1073-1086 (2002)
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[Publications] J.Hirayama, I.Fukuda, T.Ishikawa, Y.Kobayashi, T.Todo: "New role of zCRY and zPERs as regulators of subcelluar distributions of zCLOCK and zBMAL proteins"Nucleic Acids Research. 31. 935-943 (2003)