2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J03786
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 幸司 京都大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ロールプレス / 木材 / 横圧縮変形 / せん断変形 / 画像解析 / 有節材 / 横拘束 / 摩擦 |
Research Abstract |
前年度までの研究によって、ロールプレス時に木材に発生する圧縮および引張ひずみと、ロール径・材料厚さ・圧縮量を元に算出される圧入角θとの間に定性的な関係が見出され、それに伴うせん断ひずみの発生がロールプレス後の木材の物性に及ぼす影響が懸念された。本年度は、当初の研究実施計画に従い、「ロールプレス時の木材のせん断変形挙動」および「有節材など欠点を含んだ木材の横圧縮変形」について検討した。結果は以下の通りである。 1.ロールプレス時の木材のせん断変形挙動 ロールプレス時の木材のせん断変形挙動について、画像解析法を用いて得られたひずみ分布の実測結果と有限要素法の接触線解析から得られたひずみ分布の計算結果はよく近似した。ロール特有の現象として、層はく離の原因とされるロール圧縮部に大きなせん断ひずみが確認された。 また、木材の変形挙動に及ぼす因子として、新たに「木材-金属間の摩擦力」および「材料幅方向の拘束の有無」の2点が見出された。前者に関して、摩擦力の増大に伴い、層はく離および表面割れが顕著となった。後者に関しては、材料幅方向への変形拘束を行うことで、幅方向への引張応力の発生が大幅に減少し、縦割れが抑制された。 2.有節材など欠点を含んだ木材の横圧縮変形 節を含む木材をロールプレスした場合、平板プレスよりも顕著な破壊形態を示した。これは、ロールプレス時に生じる繊維方向へのせん断力が原因であることが示唆された。木材の放射方向および節の繊維方向の圧縮強さを測定し、前者の圧縮強さより硬く、後者のそれより軟らかい材質のゴムを木材と金属の間に挿入することで、節を破壊せずに板材が圧縮された。しかし、節以外の正常な部位での表面割れが顕著となった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Koji Adachi, 他2名: "Compression Behavior of Wood By A Roll-Press"The 6^<th> Pacific Rim Bio-based Composites Symposium. Vol.1. 232-239 (2002)
-
[Publications] Masafumi Inoue, 他3名: "Effects of Timber and Process Parameters on Impregnation Efficiency"The 6^<th> Pacific Rim Bio-based Composites Symposium. Vol.1. 240-249 (2002)