2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J03792
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福田 剛司 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | リュービル理論 / NS5-ブレイン / 超対称性 |
Research Abstract |
今年度はNS5-ブレインが存在しているときに弦理論はどのように振舞うかということについてさらに掘り下げて研究を行った。前半においては、NS5-ブレインがあるときに開いた弦がどのように振舞うかについての研究を行った。これらのことは、従来超対称性を持たない場合については調べられていたが、超対称性を持った場合への拡張はなされていなかった。それを考えることにより、仮想的でしかなかったモデルを現実的な物理現象を理解するまでに押し上げることに成功した。そこでの結果は超対称性がNS5-ブレインの物理を論じるうえで非常に決定的な役割を演じていることを示唆していた。そのため、今年度後半においては超対称性を破ることなく弦理論の性質を調べることを可能にするため。超弦理論の共変量子化について研究を行った。この問題は長年研究の対象となってきたが本質的な進展はなかった。しかし最近、提唱された方法を用いることで大きな進展の可能性があることに注目し、様々な研究者と議論を重ねることにより研究を継続している。現段階では、限定的にローレンツ対称性を残すことによって厳密な議論をすることができるという認識にいたり、その道筋でさらなる解析を行っている。また、それと並行してNS5-ブレインを考える際に重要な役割をするリュービルモードの性質についてのさらなる研究も行っている。特に時間方向をリュービルモードにすることによってブレインの崩壊や真の真空がどんなものであるかについての情報を得ることを考えている。第一段階として、現在はこういった特異な背景場においてブレインと呼ばれる多次元的な物体がどう振舞うかについて研究を行っている。
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Research Products
(1 results)