2003 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体形質転換系を用いたNAD(P)H脱水素酵素の逆遺伝学的解析
Project/Area Number |
01J03826
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高林 厚史 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | NAD(P)H dehydrogenase (NDH) / 葉緑体形質転換 / 循環的電子伝達経路 |
Research Abstract |
アマランサスを材料としたNDHの精製を続けて行い、Ni^<2+>を用いた金属アフィニティクロマトグラフィーにより、NDHは構造・活性を保ったまま効率の良く精製できることを明らかとした。さらに、そのクロマトグラフィー後にBlue-Native PAGEを行い、NBTをアクセプターとした活性染色を組み合わせることで500-600kDa付近にNDHの活性バンドを検出することに成功したが、現段階ではN末端解析などによる同定には至っていない。 今後は精製材料としているアマランサスの初期量をさらに増やすと共に、新たに作成中の抗体を用いたアフィニティ精製なども試すなどし、NDHの未知サブユニットの同定にこぎつけたい。 また、PAMクロロフィル蛍光解析によるNDH活性の高い植物のスクリーニングの結果、C4光合成のNAD-Malic Enzyme型のサブタイプに属する植物の活性が高いことを見出した。これは、C4光合成のサブタイプによって、葉肉細胞と維管束鞘細胞の循環的電子伝達経路の要求性および光化学系IIの量が異なるためであると考えられた。そこでNADP-ME型およびNAD-ME型の植物からそれぞれ葉肉細胞と維管束鞘細胞を単離し、NDHとPSIIの量比を見積もった結果、期待通りの結果が得られている。今後、顕微鏡PAMを用い、葉肉細胞と維管束鞘細胞を分けてクロロフィル蛍光を用いたNDHの活性を測定することで、先の仮説をさらに検証する。
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