2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー冷却された希土類原子のボーズ凝縮・フェルミ縮退の研究
Project/Area Number |
01J03860
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 洋介 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | レーザー冷却 / イッテルビウム原子 / 光双極子力トラップ / ポーズ凝縮 / 量子縮退 |
Research Abstract |
本研究の目的は光双極子力トラップに捕獲されたイッテルビウム(Yb)原子団を用いて全光学的にYb原子のポーズ凝縮およびフェルミ縮退を生成し、またそれらの混合気体を生成することである。 原子の量子凝縮のためには、捕獲された原子から高温の原子のみを逃すことで残った原子団を冷却する蒸発冷却と呼ばれる手法が不可欠である。我々は光双極子力トラップ中での蒸発冷却により位相空間密度において量子縮退までほぼ2桁というところまでに到達することに成功していた。量子縮退実現のためにはより効率的に冷却して位相空間密度を上げることが必要であるが、位相空間密度がこれ以上上がらないのは、光双極子力トラップに捕獲された原子のトラップ寿命が0.5秒程度と短いためと考えられた。蒸発冷却を効率的に行うためには、寿命は長ければ長いほど好ましい。そのため、真空度を重点的に改善した結果、寿命を数秒以上に改善することができた。蒸発冷却も期待通りに機能することを確認できた。 その結果、Yb原子をポーズ凝縮させることに成功し、ポーズ凝縮体の特徴である、トラップから自由落下させた時の非等方的な原子の広がりを確認できた。また、その広がりからYb原子の散乱長を求めることに成功した。その結果はすでに我々が昨年に実施したフォトアソシエーション分光実験で見積もった散乱長と矛盾はなかった。 また、研究成果を日本物理学会および原子物理学国際会議(米国)において発表した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Honda, Y.Takasu, T.Kuwamoto, M.Kumakura, Y.Takahashi, T.Yabuzaki: "Optical dipole force trapping of a fermion-boson mixture of ytterbium isotopes"Physical Review A. 66. 0210001-1-021000-4 (2003)
-
[Publications] Y.Takasu, K.Honda, K.Komori, T.Kuwamoto, M.Kumakura, Y.Takahashi, T.Yabuzaki: "High-Density Trapping of Cold Ytterbium Atoms by an Optical Dipole Force"Physical Review Letters. 90,2. 023003-1-023003-4 (2003)