2003 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマプロセスにおけるプラズマ表面相互作用の数値シミュレーションによる解明
Project/Area Number |
01J03914
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 裕朗 京都大学, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | プラズマ表面相互作用 / 古典的分子動力学法 / 原子間ポテンシャル / プラズマプロセス / 酸化物エッチング |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに構築した古典的分子動力学のための原子間相互作用モデルをもとにして、酸化物SiO_2のエッチング機構の解明をすべく数値計算を進めた。結果は定性的、おおかた定量的にも実験事実と矛盾無く、この研究により、100-1000eVにおけるビーム表面相互作用を対象とする古典的分子動力学による数値計算手法を確立したといえる。 1)上記の数値計算を行う上で必要なSi/O/C/F系の原子間相互作用モデルを改善し、ポテンシャル上のあらゆる点で微分可能とし、なめらかな力場を構成可能にした。 2)1)と計算コードの改良により、計算速度を10倍程度早めることでき、1回の入射過程の計算を1時間以内とできた。これにより、1つのパラメータに関して、2週間以内に結果をだすことができるようになり、数値計算を実用的な範囲にした。 3)前年度までに問題となっていたC膜の堆積過程の再現について、適当な分子間力を導入することにより、堆積過程も実験と定性的にあう範囲で再現することができた。 4)SiO_2表面上にF,CF,CF_2,CF_3を入射する数値計算を100-450eVで行った。表面状態、エッチ生成物、イールドなど種々のパラメータを求めた。また、これらをASETのビーム実験グループと比較して、広い範囲で矛盾のない結果を得ていることを確認した。 5)エッチング過程が、ドーズ量に依存することを明確に示した。高ドーズで堆積を生ずる場合でも、低ドーズではエッチングが生じている。 6)イールドについては、F,CF,CF_2,CF_3に関して、質量(分子量)に依存するスケールング則が得られた。これは、ビーム実験(ASET)における研究と一致した。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] H.Ohta, S.Hamaguchi, M.Wakatani, H.Yamada: "Numerical simulation of thermal relaxation processes during SiO_2 etching by CF_x beams"Proceedings of ICPIG XXVI (Greifswald, Germany, July 15-20,2003). 97-98 (2003)