2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04108
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
浅沼 成人 明治大学, 農学部, 特別研究員-PD
|
Keywords | ルーメン微生物 / ルーメンアシドーシス / メタン抑制 / Streptococcus bovis / ピルビン酸・ギ酸開裂酵素(PFL) / ギ酸 / 硝酸・亜硝酸還元 / 硝酸還元菌 |
Research Abstract |
競合PCR法によって見積もったルーメン内における硝酸還元菌の存在数 主要なルーメン菌の中で硝酸・亜硝酸還元能をもつことが知られているSelenomonas ruminantium、Veillonella parvula、およびWolinella succinogenesがヤギのルーメン内にどれ位の数で存在するかを調べた。これらの3菌の中でS.ruminantiumが最も多数存在し、V.parvula、およびW.succinogenesの数は非常に少なかった。しかし、後者の2菌の数は高濃厚飼料(低硝酸含量)を給与した場合よりも、高粗飼料(高硝酸含量)を給与した場合の方が多い傾向があった。そこで、高濃厚飼料に硝酸を添加したところ、両菌の数は明らかに増加した。従って、これら2菌の数は硝酸の増加によって増加すると考えられた。これらの硝酸還元菌の数を更に増やすことができれば、硝酸還元反応が増加し、発酵を抑制せずにメタン生成を抑制できると考えられた。 Streptococcus bovisのPFL活性化酵素の遺伝子解析と代謝的意義 ルーメンアシドーシスの進行に大きく関与するS.bovisにおける乳酸生成の制御について検討した。本菌の乳酸生成はピルビン酸・ギ酸開裂酵素(PFL)の活性の影響を受けるので、PFLを活性化するPFL活性化酵素(PFL-AE)について解析した。PFL-AE遺伝子の塩基配列を決定し、本酵素の合成が転写レベルで調節されていることを示した。また、精製したPFL-AEを用いてその特性を調べ、Fe^<2+>を補因子として要求することを示した。S.bovisにPFL-AEの遺伝子を導入して過剰発現させて、乳酸とギ酸の生成割合は親株の場合と違いがなく、また活性型PFLの量にも違いがなかったので、S.bovisの菌体内にはPFLの活性化に十分な量のPFL-AEが常に存在すると考えられた。つまり、PFL活性はPFLの量と電子の供与速度によって左右されると考えられた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Narito Asanuma: "Presence of Butyrivibrio fibrisolvens in the digestive tract of dogs and cats, and its contribution to butyrate production"The Journal of General and Applied Microbiology. 47. 313-319 (2001)
-
[Publications] Narito Asanuma: "Molecular characterization and expression of pyruvate formate-lyase-activating enzyme in a ruminal bacterium, Streptococcus bovis"Applied and Environmental Microbiology. 68. 3352-3357 (2002)
-
[Publications] Narito Asanuma: "Numbers of nitrate-reducing bacteria in the rumen as estimated by competitive PCR"Animal Science Journal. 73. 199-205 (2002)
-
[Publications] 浅沼成人: "ルーメンバクテリア、Streptococcus bovisの発酵調節によるルーメンアシドーシスの防御"畜産の研究. 56. 1101-1109 (2002)
-
[Publications] Narito Asanuma: "Gastrointestinal Microbiology in Animals"Scott A. Martin. 27 (2002)