2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04128
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
瀬戸 要 佐賀大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | カオス / 予測手法 / 特徴抽出 / 衛星データ |
Research Abstract |
1昨年度は、カオス挙動をする地球観測衛星データの時間的・空間的な動的特性を抽出する手法の構築のため、局所再構成状態空間におけるストレンジアトラクタの挙動を調べ、変化の激しい地球観測衛星データに対して局所再構成状態空間を構成する場合、その構成法は短期的予測精度に影響を及ぼすことを確認した。 昨年度は、局所再構成状態空間構成法を用いて、地球観測衛星データの予測を行なう手法の検討を行った。具体的には、エル・ニーニョ現象/ラ・ニーニャ現象の早期判定法の確立を試みた。すなわち、気象庁の定義による判定結果の情報を得るためには10ヵ月間のデータが必要であるという問題を解決し、如何に早く同じ判定結果の情報を得るかの検討を行った。その結果、提案手法の識別判定に要する期間は、10ヵ月分の数値を必ずしも必要とせず、1ヵ月間の場合があることを確認した。 本年度は、気象庁からのSST(海面水温)およびSOI(南方振動指数)の月毎のデータを用いて、局所再構成状態空間構成法の埋め込み最適次元推定法の検討を行った。その結果、エル・ニーニョ現象/ラ・ニーニャ現象の早期判定のさらなる早期化を図ることができることを確認した。また、ウェーブレット解析による動的特性抽出手法を検討し、対象時系列の動的特性により基底変更を行うことの有効性を確認した。更に、衛星データにおいては、衛星軌道や大気の影響等により欠損データを含んでいる。そこで、その欠損データの推定のための手法として異種センサ・データの融合による手法を検討し、その有効性を確認した。 以上、局所再構成状態空間の構成法および局所再構成状態空間における対象時系列の動的特性抽出手法を検討し、本提案手法の有効性を確認した。
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Research Products
(1 results)