2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04223
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 明 九州工業大学, 情報工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 知的CAI / 作問学習 / オーサリング環境 |
Research Abstract |
本年度は,「作問学習を対象とした知的CAIのオーサリング環境」に関する研究の一環として以下3点の成果をあげた.それぞれについて概要を示す. (1)作問学習を系に踏まえた新たな学習活動の模索 作問学習は,学習者に概念間に存在する数量関係に着目させ,知識の使いこなしに有効であると考える.この作問学習の次課題として,作ることにより意識化された知識を,メタ認知的な観点から扱うことで,より深い理解が行われると考える.そこで本年度は,作問学習にて作った複数の問題間の差異を考察する作業を通して,作問活動の振返りと対象(文章題)への理解を深めることを目的とする問題間の関係外化環境の設計を行った.研究会での報告を2件行っている. (2)小学校の授業の一環としての作問学習支援システム利用とその評価 本研究は,作問学習の設計・開発のみならず,実際の小学校での利用と運用への試みをも調査の対象としている.また,作問学習による効果の解明も本研究の重要な目的としている。そこで本年度は,和と差の2項演算の理解促進を指向した作問学習支援システムを,近隣の小学校4,5年生,各2クラスずつ計4クラスの算数の授業において行い,システムの運用へ向けた調査と,システムの効果についての調査を行った.現在,結果の集計,分析を行っている.これじ関しては,来年度の研究会などにて報告する予定である. (3)「同題を作ることによる学習」を構成する概念の整理 これまでの作問学習に関する研究を踏まえた上で,作問学習の一般的な枠組みについて「学習者の行う作問作業」と「正誤判定の基準」という2つの観点から整理を行った.この整理は,既存の作問学習支援システムの特徴づけと,学習支援システムを構成するコンポーネント設計の基礎論となるものである.これに関しては,国内論文誌にて報告を行った.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中野 明: "演算の理解を指向した作問学習支援システム"人工知能学会論文特集号. 17巻5号. 598-607 (2002)
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[Publications] A.Nakano: "An Evaluation of Intelligent Learning Environment for Problem Posing"Proc. of ITS. 861-872 (2002)
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[Publications] A.Nakano: "A Support Environment for Learning by Describing Problem Map"Proc. of ICCE. 119-123 (2002)