2003 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣周期発現のための卵巣―子宮間の相互調節機構に関する研究
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01J04349
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 周子 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 卵巣周期 / 子宮内膜 / 黄体 / ウシ / Prostaglandin / HGF / c-met / 相互調節機構 |
Research Abstract |
本年度は、子宮および卵巣における各種生理活性物質の影響ならびに遺伝子発現について検討し、以下のような知見を得た。 1.研究材料の安定した確保を目的として、ウシ子宮内膜から単離し、継代培養および凍結保存した上皮ならびに間質細胞が子宮機能の解析に供することができるかを子宮内膜のProstaglandin(PG)F_<2α>合成能を指標として検討した。その結果、上皮細胞は1回まで、間質細胞は少なくとも4回まで継代および凍結保存しても子宮機能の解析に十分なPGF_<2α>合成能を有することが明らかとなった。 2.ウシ黄体において、Hepatocyte growth factor(HGF)mRNAおよびHGFレセプター(c-met)mRNAが発情周期を通じて発現することを明らかにした。また、HGFおよびc-met mRNAはともに、黄体退行期に発情周期の他のステージと比較して有意に高い発現が認められた。また、黄体組織より単離した黄体細胞においてもHGFおよびc-met mRNA発現が認められた。しかし、培養黄体細胞のProgesterone、PGF_<2α>およびPGE_2合成におよぼすHGFの有意な影響は認められなかった。研究代表者は、すでにHGFがウシ黄体内の血管内皮細胞の増殖を促進することを明らかにしている。これらのことからHGFは、発情周期を通じた黄体における局所機能調節因子のひとつとして、黄体の機能調節あるいは細胞の増殖・分化に関与する可能性が考えられる。 (1)の成果は、平成15年9月に帯広で開催された第96回日本繁殖生物学会において発表するとともに、Journal of Reproduction and Development誌に掲載された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shuko MURAKAMI: "A passage and storage system for isolated bovine endometrial epithelial and stromal cells."Journal of Reproduction and Development. 49. 531-538 (2003)
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[Publications] Kiyoshi OKUDA: "Interferon-τ blocks the stimulatory effect of tumor necrosis factor-α on prostaglandin F_<2α> synthesis by bovine endometrial stromal cells."Biology of Reproduction. 70. 191-197 (2004)