2003 Fiscal Year Annual Research Report
真核生物の複製開始前複合体(pre-RC)の試験管内再構成
Project/Area Number |
01J04350
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高橋 直子 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ORC / 染色体DNA複製 / ATP結合 |
Research Abstract |
真核生物の染色体DNA複製開始因子であると考えられている蛋白質複合体、ORC(Origin Recoginition Complex)を構成する6つのサブユニットの中で、Orc1p及びOrc5pはATP結合活性を有している。Orc1pのATP結合活性については、ORCがorigin DNAに結合するのに重要であるということが示唆されているが、Orc5pのATP結合活性についてはその機能が未だ明らかになっていない。そこで私はOrc5pのWalker Aモチーフに変異を持つ出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeの変異株、orc5-A株を構築し、その解析を行った。orc5-A株は温度感受性を示し、非許容温度である37℃で培養すると、2C DNAを含む細胞が蓄積した。また、この株では37℃で細胞内のORCが不安定化することがわかった。次に、orc5-A株の温度感受性に対するマルチコピーサプレッサー遺伝子としてORCを構成するサブユニットの一つであるOrc4pをコードする遺伝子ORC4を単離した。Orc4pの過剰発現によってorc5-A株の非許容温度における表現型、すなわち、2C DNAの蓄積及びORCの不安定化が相補されることを見出した。orc5-A株の温度感受性の抑圧はORC4特異的であったことから、Orc5pのATP結合活性とOrc4pとは密接に関連していると考えられた。そこで、yeast two-hybrid法により、Orc5pとOrc4pとの結合を調べたところ、Orc5ApはOrc4pとの相互作用が減弱していることがわかった。これらの結果から、Orc5pのATP結合活性は細胞内でOrc4pとの相互作用に重要であり、Orc5pとOrc4pとの相互作用がORCを安定に保つために重要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takahashi N, Yamaguchi Y, Yamairi F, Makise M, Takenaka H, Tsuchiya T, Mizushima T: "Analysis on origin recognition complex containing Orc5p with defective Walker A motif"J.Biol.Chem.. 279. 8469-8477 (2004)
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[Publications] Makise M, Takenaka H, Kuwae W, Takahashi N, Tsuchiya T, Mizushima T: "Kinetics of ATP binding to the origin recognition complex of Saccharomyces cerevisiae"J.Biol.Chem.. 278. 46440-46445 (2003)