2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04425
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
下条 めぐみ 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ポリエチレングリコール / 鎖状炭酸エステル / 酵素的反応 / 加水分解反応 / エナンチオ選択的反応 |
Research Abstract |
これまでの酵素を用いた光学分割においては基質と生成物(たとえばエステルとアルコール)の分離精製に多くの労力を必要とした。分離を容易にする方法として固相樹脂を用いる例もあるが、固体であるため問題も少なくない。そこで本研究では短鎖のPEGを基質に坦持させたユニークな基質を用いることにした。短鎖PEGを用いることで基質(鎖状炭酸エステル)の極性が非常に高くなるので生成物との分離が容易となり、TLCやNMRでの反応追跡が可能となる。基質は両親媒性であるため酵素反応を行った際にこれまでにない効果が期待できる。 ラセミ体の2級アルコールに対して短鎖のPEG(M_w=550,750,2000)を炭酸エステル結合でつないだものを基質としてそれぞれ合成した。これに対して各種市販の酵素を用いてスクリーニングを行った。市販の酵素12種類についてスクリーニングを行ったところ、PPL(Sigma), PLE(アマノ),esterase SNSM-87(長瀬産業(株)研究開発センターより入手)において反応の進行が見られた。選択性についてキラルカラムHPLCを用いて分析を行ったところPPL, M_w=550を用いた場合がもっとも選択性(変換率0.35,E=29)が高いことがわかった。
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