2002 Fiscal Year Annual Research Report
非線形シグマ模型における位相不変量とアフィン・リー環の表現論
Project/Area Number |
01J04572
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺嶋 郁二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | シグマ模型 / 位相不変量 / ドリーニュ コホモロジー / 転入写像 / ホロノミー |
Research Abstract |
ドリーニュ・コホモロジーのコチェインのレベルの転入写像を与えられた多様体が境界をもたない場合に適用し、高次のホロノミーのホロノミーの概念を得て、チーガー・サイモンズの微分指標群とドリーニュ・コホモロジーの同型を具体的に与えることができた。この同型は、古典的なホロノミーが一次元の微分指標の典型的な例であるというCheeger-Simonsが指摘した観点を高次元に拡張するものとして考えられる。古典的な場合との違いは、局所的に微分方程式を解くことで高次元のホロノミーを得ることが出来ない点にある。つまり、古典的な場合は閉曲線を小さな閉区間に分け局所的に微分方程式を解くことでホロノミーを得ることができたが、一般の多様体を細かく分ける方法は多様で、しかもその過程で様々な多様体が'局所的'に現れる。それらの'局所的'な対象を同時に扱うための道具としてドリーニュ・コチェインの転入写像を導入した。構成におけるアイデアは、単体分割の最高次数の各単体についての局所的な寄与を足しあげて得られる微分形式の積分の概念を拡張し、各フラッグについての寄与を足しあげ、それと高次のホモトピー作用素を組み合わせることにあり、それを精密化することで滑らかな空間への拡張を得た。これらの結果をContemp. Math.に掲載した。 これに関連して、次数3のドリーニュ・コホモロジー類に対応する幾何的な対象である接続つきの主圏束の'無限小'として考えられるホモロジカル関数の変形理論を用いて準ポアソン構造と捩れポアソン構造を統一的に解釈できた。これらの結果を研究集会『接触構造、特異点と関連分野』で発表した。
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Research Products
(1 results)