2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04575
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 祐次 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 楕円量子群 / 頂点作用素 / Jack多項式 / 脇本表現 |
Research Abstract |
今年度はアフィン・リー環<sl>^^^^_2のある種の頂点作用素の跡を、Jack多項式のアフィン化、トーハラス上の共形場理論の一点関数、<sl>^^^^_2の指標の拡張という三つの観点から徹底的に調べた。この跡に対して得られた結果は以下の通り:楕円型Selberg積分による積分表示、および幾つかの場合に対するテータ関数とモジュラー関数を用いた表示、モジュラー変換性の公式。これらは論文にまとめ投稿した(審査中)。 同様の結果をアフィン量子群U_q(<sl>^^^^_2)に対して得るべく現在も計算中であるが、これまでのところでも以下の結果を得ている。頂点作用素の跡の積分表示は脇本表現を使って計算されるが、U_q(<sl>^^^^_2)の脇本表現についてはスクリーニング作用素(Fock空間の間の繋絡作用素)の議論がJackson積分を介しており不完全であった。そこで、これを複素積分を用いて厳密に定式化した。これにより頂点作用素の跡の計算だけでなく、Fock空間のコホモロジーとしてU_q(<sl>^^^^_2)の既約表現が得られることなども厳密に証明することができるようになった。さらにこれを用いて実際に跡も計算した。今後公式の簡素化、モジュラー変換性などを計算した後に発表したいと考えている。 申請書に記した研究目的及び計画との関係を説明すると;このU_q(<sl>^^^^_2)の頂点作用素の跡は、申請書で述べた楕円量子群B_<q,λ>(<sl>^^^^_2)のL-operatorの固有関数である。またトーラス上のq-変形された共形場理論の相関関数でもある。 申請書では何人かの研究者と議論の機会を持ちたいと書いたが、実際に4月にBerkeleyでKirillov Jr.氏と、8月に北京でEtingof氏とそのような機会を持つことができた。また、三町氏とは何回か東工大などで議論の機会を持つことができた。
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Research Products
(1 results)