2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04575
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 祐次 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 共形場理論 / アフィンリー環 / 量子群 / 楕円函数 / 頂点作用素 |
Research Abstract |
アフィン・リー環<sl>^^^^_Nおよびアフィン量子群U_q(<sl>^^^^_N)のある種の頂点作用素の跡が、それぞれJackおよびMacdonald多項式のアフィン版ともいうべき良い性質を持つテータ函数であることが、EtingofとKirillov Jr.により知られている。そこで今年度は、種々の共形場理論の相関函数の中でも特に、これらの函数をHecke環の表現論の枠組みで捉えることを試みた。その結果、古典Weyl群のもとで対称なテータ函数については退化アフィンHecke環または楕円Weyl群の表現論の枠組みで捉えられることが分かった。さらに、<sl>^^^^_Nの既約な支配的最高重み表現の指標を固有函数に持つような、楕円型の差分作用素の族を構成することに成功した。現在、この差分作用素を用いてアフィン・リー環の指標に対するPieri公式を計算中である。 また昨年に引き続きU_q(<sl>^^^^_2)の場合に、上述した頂点作用素の跡を脇本表現を用いて実際に計算することも行い、脇本表現自体についても以下の結果を得た:これまでの脇本表現では、Verma表現をauxiliary spaceとする頂点作用素の自由場表示が、auxiliary spaceを有限次元表現にした場合にも正しい、ということが仮定されていた。これについて、頂点作用素がタイプIIの場合にauxiliary spaceが有限次元表現にとれることを証明した;これまでのアフィン量子群に対する脇本表現では遮蔽作用素の構成が暖味であったが、これを複素積分を用いて厳密に定式化した。この手法を用いて、昨年のtype Iに続きtype IIの場合にも頂点作用素に遮蔽カレントを組み込むことに成功した。 これらの結果の一部は昨年行われた無限可積分系の研究会、表現論シンポジウムなどで発表した。今後、適宜論文としてまとめる予定である。
|
Research Products
(1 results)