2002 Fiscal Year Annual Research Report
小脳プルキンエ細胞特異的な電位依存性Na^+チャネル機能発現の分子機構の解明
Project/Area Number |
01J04593
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中瀬古 寛子 (泉 寛子) 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | カルシウムチャネル / ナトリウムチャネル / 分子生物学 / 電気生理学 / DHP感受性 |
Research Abstract |
1.ホヤ電位依存性Caチャネル(TuCa1)はほ乳類神経電位依存性L型Caチャネルと相同性が高いが、DHP及びFPL64176に対する感受性が低いことに着目し、DHPの薬理学的感受性を決定するアミノ酸を探索した。その結果イオンチャネルのポア部分を形成する4つの膜貫通ドメインのうち3番目でアラニンをセリンに置換するとほ乳類L型Caチャネルと同程度のDHP感受性を獲得したことから、この部位のアミノ酸がDHPの効果に重要であることが示された。次にほ乳類L型Caチャネルでは同部位のセリンをアラニンに逆置換するとFPL64176感受性の低下をもたらすことが報告されているが、TuCa1でアラニンをセリンに置換してもFPL64176感受性は低いままであったので、TuCa1においてはFPL64176感受性に関与するアミノ酸が複数置換されていることを示唆した。(現在論文準備中) 2.ほ乳類脳神経に広く分布する電位依存性NaチャネルNav1.6が小脳プルキンエ細胞特異的にresurgent電流を形成することに着目し、その機構の再構築を培養細胞での発現系をもちいて試みた。マウスのクローンを2種の培養細胞HEK293とtSA201で単独で発現させるとresurgent電流は観察されないが、持続(persistent)電流の量に違いが見られた。現在発現細胞による電流の形の変化をイオンチャネルのリン酸化の観点から検討している。
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