2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01J04595
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沼野 利佳 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 概日リズム / Period 1 / SCN単一細胞 / TGマウスとラット / CCDカメラ / 発光イメージング / 末梢組織 / 薬剤添加 |
Research Abstract |
哺乳類の概日リズムの中枢を担うSCN内Per1の転写振動がリズム形成に重要であること、Per1の光による転写誘導が、光サイクルへの同調に機能することが示唆されている。我々は、Per1のプロモーター領域にルシフェラーゼを連結させたPer1::1ucTGマウスとラットを作製し、SCNと末梢のリズムを同一手法で測れるin vitroの実験系を構築した。この系を用いてSCNのオシレーターは自律性を持つのに対し、末梢組織はSCNからのシグナルによって、他の組織と一定の関連を保持しながら特異的な位相で振動していることが示された。そこで、SCNと末梢組織の概日リズム形成の違いを生み出すのは何かを調べるために、高感度CCDカメラを用いて、発光量の高いTGラインのSCN単一細胞の発光を検出できる実験系を構築する。 現在、顕微鏡下で、stable transfectionさせたNIH3T3 Cellや、SCNスライスを培養し、発光イメージをタイムラプスで観察している。単一細胞の発光を検出するためのCCDの感度は保障されているが、S/N比を最大にする最適条件を決めている。NIH3T3 CellにPMAなどの薬剤添加による刺激を与えると、単一細胞で発光リズムが観察された。この系を用いて、SCNスライスや肝臓などの末梢組織の単一細胞の発光を、in situとdispersed cellで観察するという実験を行う予定である。 また、SCNスライス全体のイメージングも行っており、約24時間周期の発光イメージングリズムが取得できている。オシレーターとしてのSCNの機能を探るために、この系を用いて、薬剤添加による刺激、阻害実験を行う予定である。現在、その予備実験として、発光リズムをフォトマルでモニターする系で観察し、薬剤添加実験を行っている。これらの成果は、学術学会、雑誌で報告している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Rika Numano, Hajime Tei: "The coupling of central and peripheral circadian oscillators in the mammalian circadian system by means of Period1 expression profile"Shinkei Kenkyu no Shinpo. 45. 734-743 (2001)
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[Publications] 沼野 利佳: "リズム遺伝子の解析研究におけるトランスジェニックラットの利用"アニテックス. 14,4. 203-209 (2002)